邦銀が売却に動き、国債価格急落の恐れも
問題は銀行業界だけにとどまらない。数値基準による新規制が導入されれば、自己資本比率を高めるため、邦銀が国債売却に動く可能性がある。邦銀自ら国債価格急落(金利急騰)の引き金を引き、巨額の債務を抱える日本の財政にも打撃を与えかねない。
このため、日本の金融当局は一律の数値基準導入に強く反対。南欧諸国や、日本と同様に商業銀行の保有資産に占める国債などの割合が高い米国も足並みをそろえており、推進派の英独との間で綱引きが繰り広げられている。
ただ、大量に国債を保有する邦銀が金利上昇リスクを抱えているのは確かだ。日銀の試算によれば、昨年6月時点で金利が1%上昇した場合の邦銀の含み損は5.6兆円に達するという。