「『だばあ』しないペヤングなんて!」 販売再開にこぼれ出す「意外な不満」

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   カップ焼きそば「ペヤング」の販売再開が決まった。異物混入による製造停止から半年、懐かしの味の復活に、ファンたちは諸手を挙げて喜んでいるのかと思いきや......?

「そんなのペヤングじゃない!」

   製品の「改良」をめぐりある不満が、熱烈なペヤング愛好家の間では起こっているというのだ。

  • おなじみのパッケージから一新へ
    おなじみのパッケージから一新へ
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混入防止のため改良された「ふた」が...

   ゴキブリと見られる異物の混入が原因で、ペヤングの製造・販売がストップしたのは2014年12月のことだ。製造元のまるか食品には厳しい批判が寄せられたものの、1975年の発売以来、関東地方を中心に40年近く「カップ焼きそば」の代名詞として親しまれてきただけに、「またペヤングが食べたい......」という「ペヤングロス」の声は絶えることがなかった。

   すでに報じられているとおり、2015年6月上旬から首都圏で販売を再開することが判明し、愛好家には喜びが広がっている。ところが問題は、同時に明らかになった、異物混入対策のための「容器の改良」だ。

   ペヤングといえば、「顔は四角でも、味はまろやか」というCMでもおなじみの、白く四角い、ふた・容器ともにプラスチック製のパッケージで知られる。ところが今回の販売再開に当たっては、容器の材質をプラスチックから発泡スチロールに、そしてさらに、ふたを「シールで密閉する」タイプ、つまり競合他社のカップ焼きそばと同様のものに変更するという。

湯切り失敗がかえって懐かしい

   なぜ、「改良」が問題なのか。というのも、特にネット上では、ペヤングといえば、

「湯切りの際にふたが途中で外れて、中身を流しにこぼしてしまう(その擬態語が『だばあ』)」

という失敗談が、一種の「お約束」となっているからだ。

   こうした湯切りの際の失敗は、元々ペヤングに限った現象ではなかった。しかし1999年にはライバルの「日清焼そばU.F.O」(日清食品)が密閉型のふたと「ターボ湯切り」を採用、他のメーカーも相次いでこれに追随し、今やほとんどのカップ焼きそばで「だばあ」はまず起こらない。

   一方、ペヤングは昔ながらのパッケージにこだわり続けたため、いつしか「だばあ」はその代名詞として認識されるようになった。これを示すように、ニコニコ動画には2008年に投稿された、初音ミクが歌う「ペヤングだばあ」という楽曲が存在するが、その再生回数はなんと55万回に上る。なおこの曲をきっかけにまるか食品は2012年に初音ミクとコラボ、「だばあしない」タイプの「高性能湯切り口」(いずれもパッケージより)を限定採用して話題を呼んでおり、いわば「だばあ」はメーカー公認のネタでもあった。

「変わらない」ペヤングの象徴だった「だばあ」

   こうした背景から、容器改良の報道を受けてツイッターでは、

「だばぁしないペヤングなんて...」
「ペヤング復活は嬉しいが、これは悲しい」
「湯切り時のあの緊張感はもう味わえなくなるのかぁ...」
「だばあできなくなってしまう...ペヤングだばぁが巻き戻しと同じ若者に語源の通じない単語になってしまう...」

などと、「だばあ」消滅を寂しがる声が少なからず出ている。「だばあ」は、良くも悪くも「変わらない」ペヤングの、ある意味で象徴だったようだ。

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