湯切り失敗がかえって懐かしい
なぜ、「改良」が問題なのか。というのも、特にネット上では、ペヤングといえば、
「湯切りの際にふたが途中で外れて、中身を流しにこぼしてしまう(その擬態語が『だばあ』)」
という失敗談が、一種の「お約束」となっているからだ。
こうした湯切りの際の失敗は、元々ペヤングに限った現象ではなかった。しかし1999年にはライバルの「日清焼そばU.F.O」(日清食品)が密閉型のふたと「ターボ湯切り」を採用、他のメーカーも相次いでこれに追随し、今やほとんどのカップ焼きそばで「だばあ」はまず起こらない。
一方、ペヤングは昔ながらのパッケージにこだわり続けたため、いつしか「だばあ」はその代名詞として認識されるようになった。これを示すように、ニコニコ動画には2008年に投稿された、初音ミクが歌う「ペヤングだばあ」という楽曲が存在するが、その再生回数はなんと55万回に上る。なおこの曲をきっかけにまるか食品は2012年に初音ミクとコラボ、「だばあしない」タイプの「高性能湯切り口」(いずれもパッケージより)を限定採用して話題を呼んでおり、いわば「だばあ」はメーカー公認のネタでもあった。