経営への未練隠さず
久美子社長にとって最大の対抗策となるのは、自らが投資ファンドなどを味方に付けて対抗TOBに踏み切ることだ。証券会社の幹部は「総会で久美子社長の会社提案に賛同した金融機関や一般株主がTOBに応じて発行済み株式の3分の2以上を取得すれば、株式公開をいったん廃止して非上場企業として経営改革のスピードを上げるためのいわゆるMBO(経営者による企業買収)が成立する」と話す。
投資ファンドや他の取引先などを引受先とする第三者割当増資を実施し、勝久氏側の持ち株比率を引き下げる手法もある。ただ、増資は設備投資などの資金調達や戦略的な資本提携などのために実施するのが本道で、「取引金融機関などの賛同を得られる保証はない」(関係者)という。
埼玉県春日部市の桐だんす店を業界トップに育て上げた創業者の勝久氏は、株主総会での発言の冒頭、「(久美子氏の)クーデターにより社長の座を奪われた大塚です」と自己紹介し、経営への未練を隠さなかった。久美子社長を後継者に選んだ自らの判断への反省の弁を繰り返し、他の株主から「会社は(大塚)一族のものではない」と諌める発言も出たほどだ。
同社を舞台にした騒動はまだまだ収束にはほど遠いようだ。