維新の党の上西小百合衆院議員(31)が、病気の診断を受けながら、国会欠席前夜に自民党議員とショーパブなどに行っていたことが分かった。上西氏は、「議員失格」と断じた党最高顧問の橋下徹氏とともに今日3日の21時ごろから大阪で緊急記者会見をすることになっており、こうしたことへの釈明も求められそうだ。
衆院本会議を病欠した2015年3月13日の翌日から1泊2日の京都旅行に出た――。上西小百合議員の疑惑は、こんな週刊誌報道で発覚し、本会議当日も旅行に出ていた疑いも一部で報じられた。しかし、上西氏は、フェイスブックなどで旅行に行ったことを否定し、自宅などで療養していたと反論した。
予算案採決を控え、体調が悪化する恐れがあった
ところが、少なくとも15日午後には京都に行っていたことが分かり、上西氏の事務所では、旅行ではなく政務で出張していたと説明に追われた。さらに、フジテレビ系ニュース「FNN」などによると、病欠前日の12日に急性ウイルス性胃腸炎と診断されていたというにもかかわらず、この日夜に居酒屋などにも出かけていたというのだ。
自民党の赤枝恒雄衆院議員と一緒で、居酒屋の後に、東京・六本木のショーパブもはしごしていた。赤枝議員は、「その日の上西議員は、疲れているように見えた」と取材に答えたという。もしこれが本当なら、重要な予算案採決を翌日に控え、体調がさらに悪化する恐れがあるのにもかかわらず、夜の街に繰り出していたことになる。
一部報道によると、上西氏側は、居酒屋に行ったのは、医師でもある赤枝氏に体調の相談をするためで、上西氏はお酒も飲んでいなかったと説明したという。それにしても、なぜ居酒屋で相談したのかは疑問が残り、あまりにも軽率だとの印象はぬぐえないようだ。
次々に出てくる疑惑に説明がつかなくなったのかは定かではないが、フェイスブックの記事も、その日のうちに削除されてしまった。
旧・日本維新の会、上西氏を厳重注意の処分に
上西小百合氏のスタッフについても、モラルが欠如しているのではないかといった指摘がネット上などで相次いでいる。
「ええかげんにせぇや、お前」などとテレビ局の記者らを恫喝した事務所の男性秘書は、7年前に別の自民党衆院議員の秘書とともに男子高校生の頭や腰を数回殴って傷害の現行犯で逮捕されていたことも分かった。当時の報道によると、男性秘書は、そのときは大阪府議の秘書をしており、居酒屋に行った帰りの泥酔状態で、高校生から「何見てるんや」と言われて腹を立てたという。
高校生は、約1週間の打撲傷を負ったが、男性秘書らは逮捕された日の翌日には釈放されていた。
上西氏のスタッフでは、3年前の衆院選で運動員1人が公選法違反(買収)の疑いで逮捕されてもいる。選挙運動の見返りに、男性3人に現金計60万円を渡したというものだった。
これに対し、旧・日本維新の会は、運動員逮捕の翌月に上西氏を厳重注意の処分にしている。
上西氏の国会事務所では、上西氏が欠席前夜にショーパブなどに行ったかについて、「同行した議員もおっしゃっていますので、その通りです」と認めた。また、男性秘書が過去に逮捕されたことについては、「それは聞いています。しかし、起訴されておらず、裁判にはなっていません」と説明した。一部報道では、4月3日夜に予定されている会見で、上西氏が自らの進退に言及するとされているが、その点については、「まだ連絡が来ていませんので、分からないです」とした。
この日の会見は、大阪維新の会代表でもある橋下徹氏が維新の党とは別に処分などを考えると明かしたことから、維新の会として行う。上西氏が議員辞職しなければ除名の処分にする可能性があると一部で報じられたことについては、維新の会では、「現時点では、何も決まっていません」と取材に答えた。
維新の党の江田憲司代表は、問題が出てくれば厳正に対処するとしたが、維新の党東京本部では、「今後については、上西議員の会見を受けてからの話になります」と話している。