放送法では「報道は事実をまげないですること」求めている
こういった経緯をめぐり、メディア関係者の中でも「圧力」の有無に関する受け止め方は割れている。それが最も分かりやすい形で明らかになったのが、4月1日に日本テレビ系で放送された「ミヤネ屋」でのコメンテーターの発言だ。
元共同通信記者の青木理氏は、
「陰に陽にあるんですよ、圧力ってのは。現政権は特にあるんですよ、陰に陽に」
と、圧力は「ある」という立場で、「報ステ」にエールを送った。
「こういう風に権力から言われるのは勲章だと思うので、ますます頑張ってほしい」
青木氏が特に問題視しているのが、菅氏が会見で放送法に触れたことだ。具体的には、菅氏が今後の対応方針について聞かれ、
「放送法という法律があるので、まず、テレビ局がどのような対応をされるかということをしばらく見守っていきたい」
と答弁した点だ。菅氏は具体的な条文について言及したわけではないが、第4条では番組編集について(1)公安及び善良な風俗を害しないこと(2)政治的に公平であること(3)報道は事実をまげないですること(4)意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること、の4点を求めている。菅氏の発言は、この第3条の第4項「報道は事実をまげないですること」を念頭に置いていると受け止められている。