中国人観光客殺到でホテル満室続き 黄金週間、すでに予約取れないところも

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   中国から日本を訪れる観光客が大幅に増加し、「爆買い」の恩恵を受けた小売業をはじめ国内は「特需」にわいている。一方、大勢の中国人が集中的に押し寄せる観光地では、宿泊施設の不足という事態が出てきた。

   3月末から4月初旬にかけては、桜のシーズンに合わせて海外からの花見客で東京都心を中心にホテルは満室続き。そして5月初めは、日本と中国で同時期に大型連休が待っている。

  • ゴールデンウィークも中国人が大挙してやって来るか
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5月初めは中国でも「労働節」の連休

   東京では2015年3月29日、桜が満開になった。首都圏や大阪、京都、名古屋、福岡でも4月初めまでに続々と満開日を迎える。今年の花見客は外国人、特に中国人観光客が多い。中国では4月4~6日が「清明節」と呼ばれる3連休で、その前に数日の休暇を取得すれば、日本観光には十分の日数を確保できる。

   3月30日放送のNHK「ニュースウォッチ9」では、東京の桜の名所、上野公園に大勢の中国人観光客が足を運んでいる様子を映した。ひとりの女性は「中国にも桜はあるが、日本の方がきれいで種類もたくさんある」とコメント。桜の美しさが口コミで中国全土に広がっており、別の女性は知人から送られてきた桜の写真を見て、日本行きを決めたそうだ。4月3日付の「フジサンケイビジネスアイ」は、「今年は花見客の半分以上が中国などの外国人だ」という上野観光連盟の担当者のコメントを引用した。

   桜前線は今後北上する。東北各地では4月中旬から下旬にかけて順次満開となっていく。この時期に合わせて青森県弘前市では恒例の「弘前さくらまつり」が開かれる。さらにゴールデンウィーク前後には北海道各地でも桜が見ごろを迎える。桜に合わせて観光客の波も北へ移る可能性もあるだろう。

   5月になると、ゴールデンウィークがやってくる。今年はこの時期、日本人の間でも国内旅行需要が旺盛のようだ。JTBが4月2日にまとめた旅行動向によると、4月25日~5月5日に1泊以上の「国内旅行」に出かける人数の推計値は前年比3%増の2335万9000人で、過去最高となる見込み。宿泊は5月2、3日が中心になり、新幹線が開業した北陸地方をはじめ、大阪や北海道の人気が高いとみられる。

   しかも5月1~3日は中国でも「労働節」の3連休。休みが重なり、日本人旅行者だけでなく中国人観光客も人気スポットに押し寄せてくる可能性は高い。

1か月前時点で金沢は宿泊施設満室、富山も残り1件

   ゴールデンウィークは1か月ほど先だが、人気観光地の宿泊施設の予約状況はどうだろうか。オンライン旅行サービス「楽天トラベル」で、5月3日に2人で泊まれる場所を探してみた。JTBの発表資料でも名前が挙がった北陸では、金沢市内・周辺が既にどこも満室で予約不可。富山市・八尾・立山山麓と能登・輪島・珠洲でそれぞれ1件しか残っていない。札幌市や大阪市、京都市の中心部でも残数はいずれも1ケタ台だ。首都圏は比較的余裕があるが、箱根のような行楽地はやはり残り少なくなっている(いずれも4月3日時点)。

   日本政府観光局(JNTO)が毎月発表している「訪日外客数」を見ると、1年前の2014年5月の訪日中国人は前年比で倍増しており、5月として過去最高となった。年末年始や中国の春節休暇でも記録的な数の観光客が日本を訪れたが、ゴールデンウィークは冬期よりも過ごしやすい時期で行楽には適しており、ますます増加が見込まれる。国内の経済効果のうえでは「うれしい悲鳴」だが、宿泊施設の数は限られている。日本人旅行者との間で「奪い合い」になりそうだ。

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