人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明監督(54)が、公式サイトなどで「かつて鬱状態だった」ことを告白し、ファンらにショックを与えている。それにもかかわらず、エヴァとゴジラの新作を同時並行して進めるというのだ。
ゴジラ新作の脚本と総監督を庵野秀明監督が務めることは、東宝が2015年4月1日に報道発表した。日本を舞台にした12年ぶりの新作が作られることはすでに明らかにされていたが、それを庵野氏が手がけるということでファンを驚かせた。
ゴジラ新作「出来ませんよ」といったんは固辞
これまでの経緯について、庵野氏は、公式サイトなどでこの日、長文のコメントを出した。
それによると、庵野氏は、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」を公開した後の12年12月に「鬱状態」になった。「僕は壊れました」とも明かしており、その理由として、6年間も魂を削ってエヴァを再び作ったことの報いだったとした。
翌13年には、精神的な負の波が何度も揺れ戻すような感覚を味わい、映画制作のスタジオに一度も近づけなかったという。庵野氏は、「妻や友人らの御蔭で、この世に留まる事が出来」と書いている。
宮崎駿監督がこの年のアニメ映画「風立ちぬ」で主人公の声役を任せてくれたことなどから立ち直りのきっかけをつかみ、14年初めにようやくスタジオに戻れたという。そして、リハビリを1年以上続けて、徐々に仕事を増やしていったとしている。
ゴジラ新作の依頼を東宝から受けたのは、まだ精神状態が不安定だった13年1月末だとし、庵野氏は、「無理です。エヴァもあるし、出来ませんよ」といったんは固辞したとした。しかし、ゴジラ新作で監督と特技監督をする樋口真嗣氏(49)らに説得され、エヴァ以外もやらないと続かないとも考えて、この年3月に総監督などを引き受けたと説明している。