高級タイプから売れてゆく
中国人観光客らに人気の製品は、南部鉄器を使った「極め炊き」シリーズの炊飯ジャー。象印マホービンは「炊飯ジャーでは2種類のおかゆがつくれる製品がとくに人気。日本の炊飯ジャーは高いものほどおいしいというイメージがあるようで、高級タイプから売れていきます」と話す。なかには量販店の店頭で、一番高い製品を「指名買い」する人もいるらしい。
また魔法瓶は、お茶をそのまま飲める「マイボトル」タイプのステンレス魔法瓶が人気。「中国での事業展開によって認知度が上がったことが功を奏しているようです」とみている。
いずれも品質のよさに加えて、日本では中国国内の3分の1程度の価格で購入できることもあり、おみやげとして「まとめ買い」する人が後を絶たない。
象印によると、電圧などを海外仕様にした免税品を含めた訪日外国人向けの売り上げは、第1四半期(14年11月21日~15年2月20日)で推定約20億円にのぼる。
インターネットには、
「中国では自宅やオフィスで沸かしたお茶を持ち歩くのが習慣で、魔法瓶は象さんの品質のよさが抜けているそうだ」
「行きつけの家電量販店で、象印のマホービン売り場に中国人観光客が群がっているのをみて『すげー』って驚いた時点で株買っとけばよかったんですよ」
「チャイナマネー、スゲーな」
「象さんの魔法瓶の棚は空っぽ。炊飯器は競争メーカーが多いけど、魔法瓶は盤石」
「家電量販店で、炊飯ジャー以上にタイガーや象印マホービンが飛ぶように売れている。今年の業績は昨年以上に伸びる、株価も伸びる...」
といった声が寄せられている。
円安傾向は今後も続くとみられ、それに連れて訪日外国人客も増えそう。株式市場では象印以外でも「訪日外国人」に関連した銘柄の上昇ぶり目立ち、ホットなテーマとなっていることは間違いないようだ。