観光循環バスなどへのドカベン使用も認めず
新潟市では、ドカベンのキャラをあしらった観光循環バスやマンガ・アニメ情報館の展示などでも、水島新司さん側がキャラの使用契約を4月から更新しないと連絡してきたことも分かった。新潟日報によると、市は毎年、著作権使用料として約100万円を支払ってきた。
水島さんと市や県の間では、県立野球場の名称にドカベンを付けることを水島さんが了承したのにもかかわらず、命名権が売却されてしまったことで、水島さんが行政に不信感を強めた可能性が一部で報じられた。水島さんが、にいがたマンガ大賞の最終審査員などを辞任したのは、そのためではないかというものだった。
これに対し、水島さんは、辞任などは、「行政に対する不信とは全く関係ありません」とのコメントを出した。そのうえで、辞任の理由について、自ら体調を崩したことなどを挙げ、今後は漫画の連載を中心に活動していくとしていた。
とはいえ、今回については、市などの対応に何か不満があったということはないのだろうか。
市の文化政策課では、取材に対し、「野球場問題は、終わっている話であり、その影響はないと思います。水島さんとの関係が悪くなっているとも考えていません」と言う。
水島さん側からは、3月上旬に連絡があり、理由は分からないものの、著作権の管理業務を縮小し、漫画の執筆に専念するためと説明を受けたとした。観光循環バスについては、ラッピングのないバスに差し替え、別の漫画家のキャラにすることも検討する。また、マンガ・アニメ情報館については、しばらく展示スペースを空にし、別の展示に差し替えることも検討するという。ただ、「市を代表する漫画家なので、本当に残念です。マンガ・アニメの街をPRするため、機会があれば今後もお願いしたいと考えています」と言っている。