相互監視になるとお互いに信頼できなくなる?
これを「制度」にするかについては異論もあるようだ。例えば航空ジャーナリストの秋元俊二氏は3月30日昼にTBSで放送された情報番組「ひるおび!」で、
「『ヒヤリ・ハット』と言って、事故にはつながらないが、ちょっと上空で『ひやっとした』といったことは常に報告しあわないと、事故の芽は摘めない。そこが相互監視になると全然言わなくなっちゃうとか、お互いに信頼できなくなる。それがまずい」
などとして、自らの状態を申告しなくなるリスクを指摘している。航空機乗務には信頼関係の構築が最も大事で、それを壊す制度はよくないという考え方だ。ただ、今回のようなケースで具体的にとるべき手段については触れなかった。
なお、「ヒヤリ・ハット」については、航空業界関係者から事例を集める「航空安全情報自発報告制度」の運用が14年7月から始まっている。通報した内容をもとに国土交通省などから処分を受けるリスクをなくすため、制度は国土交通省から独立した公益財団法人航空輸送技術研究センター(ATEC)が運営。寄せられた情報を個人名や会社名も特定されないようにした上で分析し、安全対策の提言に役立てる。