英独仏伊に豪、韓と雪崩を打ってAIIB参加表明 「実利優先」の決定、日本はさてどうする

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日米も参加すれば高格付けを得て資金調達面で有利

   一方、中国もAIIBで中国が拒否権を持たない意向を欧州の主要国に伝えたとされる。中国が恣意的にAIIBを使うとの懸念を払拭し、またADBの最大出資国として拒否権を持つ米国を牽制する狙いとみられる。ただし、中国も、いくら豊富な外貨準備を持つとはいえ、AIIBの実際の資金は国際市場で調達する必要がある。その点で英国を取り込んだのは重要な成果だが、日米も参加すればより高格付けを得て資金調達面で有利になるだけに、「主導権を握りつつ日米にも参加してほしいのが中国の本音ではないか」(国際金融筋)と見られる。

   また、創始メンバーの3月末締め切りという期限も「6月までに出資規模、比率などを調整することになっており、まだ交渉の余地はある」(大手紙経済部デスク)との見方もある。

   この間の一連の動きを受け、主要新聞の論調も参加論が勢いを増してきた。産経は英国が参加を表明した後の3月18日の「主張」(社説に相当)でも「公正な統治の確立や融資方法に不安が残るとの判断から、日本が現段階で参加を見送る方針をとっているのは妥当だ」と強硬姿勢を維持しているが、日経は3月20日の社説で「流れが変わった以上、現実的な目線で中国の構想と向き合うべきではないか。AIIBの否定や対立ではなく、むしろ積極的に関与し、関係国の立場から建設的に注文を出していく道があるはずだ」、毎日も3月24日の社説で「中国主導とはいえ、アジアの成長基盤を担う国際機関の設立だ。アジアの主要国である日本を含まない始動は、新銀行にとっても日本にとっても良いことではない。積極関与を真剣に検討すべきだ」と、参加へ舵を切るよう求めている。

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