気温上昇を見込んで現実的な対応を 被害に備える「温暖化適応計画」に注目

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熱中症など暑さによる死亡リスクは今世紀末に約2~4倍に

   日本でも環境省は2014年6月、温暖化に有効な対策を取らないと今世紀末には全国の年平均気温が現在に比べ4.4度上昇し、最高気温が30度を超える真夏日が全国平均で年間52.6日増えるなどとした予測をまとめた。さらに3月2日には専門家の協力を得て、温暖化の「影響評価報告書」をまとめた。7分野56項目について現状と将来の影響を評価し、「重大性」「緊急性」「確信度(起こりうる可能性)」を分析。対策に優先順位をつけた。このうち、熱中症やコメの品質低下、洪水被害など9項目は発生する可能性が高く影響が重大として、優先度が特に高いと指摘している。

   具体的には、例えば、▽熱中症など暑さによる死亡リスクは今世紀末に約2~4倍に跳ね上がる▽コメは気温上昇で全国的に品質が低下し、現在から3度以上気温が上昇すると北日本を除き収穫量が減り、九州で1等米の比率が約4割ダウン▽2060年代には温州ミカンは主力産地の多くで栽培しにくくなる▽ブドウやモモは高温による生育障害が発生▽代表的な河川で洪水を起こすような大雨が増加する――などの警告が並ぶ。

   欧米各国では、オランダが2007年に適応計画を公表、米国は2013年に今後の適応策の取組の方向性を示した大統領令を出した。独仏もそれぞれ2012年に「国家気候変動適応計画」「適応戦略行動計画」を策定。アジアでも韓国が2010年に適応計画を公表している。

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