米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古沖(同名護市)への移設問題で、菅義偉官房長官は2015年3月27日午後の会見で、政府と沖縄県の対立の背景に「感情的なもつれがある」という指摘について、
「前政権の迷走によって、沖縄県民の皆さんの心が大きく傷つけられたと思っている。そうした沖縄県民の皆さんの心、気持ちを元に戻して信頼感を取り戻すことはなかなか簡単なことではない」
と述べた。民主党政権時代、鳩山由紀夫元首相が辺野古以外の移転先の見通しが全くたたないままに「最低でも県外」などと発言し、事態をこじらせたことを改めて強く非難した形だ。
「危険除去はどうするんでしょう?」
菅氏は、かつての沖縄県内の自治体の首長が辺野古移設に同意したことを理由に、
「行政の継続性は当然のこと。危険除去はどうするんでしょう?1日も早く、世界で1番危険と呼ばれる普天間飛行場の危険を除去するのは政府の大きな役割」
とも述べ、辺野古沖の工事を続行する意向を改めて示した。
沖縄県の翁長雄志知事は14年11月の就任以来、4か月以上にわたって安倍晋三首相や菅氏と面会できない状態が続いている。菅氏は15年3月26日の会見では「そう遠くないうちにお会いしたい」と述べ、15年度予算成立後に面会の日程を調整したい考えを示している。菅氏は、面会が実現した際には辺野古以外の普天間基地の代替地について翁長氏と議論したい考えで、両者の対立が先鋭化する可能性もある。