「テーマパーク化し、自己責任問うのは酷」との声も
ファウルボールによる失明を球団側の責任とした札幌地裁の判決について、野球に詳しい識者らからは、様々な反応が出ている。
共同通信の報道によると、自民党の萩生田光一総裁特別補佐(51)は、日本ハムについて「気の毒」と同情を示し、「免責条項とかを作れないのか」との考えを示した。3月26日にあったスポーツ議員連盟の勉強会での発言だ。米大リーグでは、防球ネットはバックネット裏だけしかない球場が主流だとされており、萩生田氏は、「ファウルボールに当たると、その観客がブーイングされて出ていけ、といわれる。そのくらい『ボールを見ていろ』という文化が根付いている」と述べた。
一方、米ニューヨーク拠点のスポーツマーケティング会社代表の鈴木友也氏は、ヤフー・ニュースに投稿した個人記事で、米大リーグでは、ファウルなどによる事故は、観客も危険を承知で来ているとして免責とされる場合が多かったものの、最近は変わってきていると指摘した。客が観戦に集中できないピクニックエリアなどにいるときは、球団側が敗訴するケースも出てきているというのだ。日本でも、スタジアムで酒類を提供したりイベントで女性客を取り込んだりするなどテーマパーク化しており、鈴木氏は、客の不注意を一概に責められない環境にもなってきたとしている。
ネット上でも、札幌地裁の判決については、賛否両論になっている。
支持する声としては、「ライナー性のファールを素人がよけるなんて無理」「酒売っといて注意してれば大丈夫とか通る訳ねえだろw」「全面ネットにすりゃいいじゃん」といった書き込みがあった。
否定的な声も根強くあり、「内野席のファールだしな ちゃんと見てりゃ避けれる」「自己責任だろこんなん」「危険性の全くないところで観戦したいなら、テレビを観るべき」などの意見が出ている。