スピリチュアリストの江原啓之さん(50)がTOKYO MXの情報番組「5時に夢中!」(月~金曜後5・00)の水曜コメンテーターを、2015年4月から隔週で務めることになった。江原さんがテレビのレギュラーを務めるのはテレビ朝日「国分太一・美輪明宏・江原啓之のオーラの泉」以来6年ぶりという。
「オーラの泉」といえば当時のスピリチュアルブームの火付け役で、江原さんがオーラを「霊視」することによって相談者の守護霊や先祖と語り、悩みを解決していく姿が大反響を呼んだ。6年ぶりのレギュラー「5時に夢中!」でもそんな姿が見られるのだろうか。
「視聴者に江原さんが好きな人が多かった、ともいえます」
「5時に夢中!」といえば作家の中村うさぎさん(56)が共演者の美保純さん(54)に対し、「ポルノ女優のくせに」と侮辱した、しなかったなどと騒動となり、中村さんは15年2月で同番組を降板した。それが水曜日枠で、江原さんは中村さんの後釜のコメンテーターとして起用される。
6年ぶりレギュラーということで、またあの「霊視」を使った誰にも真似のできない分析が行われるのかと思われたが、そうではないようだ。TOKYO MXに江原さんを起用した理由を聞いてみたところ、過去に何度か江原さんは「5時に夢中!」に出演したことがある。その度に視聴者の反響が大きく、出演して欲しいとのリクエストが相次いだため、番組プロデューサーが白羽の矢を立てた。
「江原さん個人の人気の高さなのだと思います。この番組の視聴者に江原さんが好きな人が多かった、ともいえます」
と担当者は話した。では江原さんの最大のウリであるスピリチュアルな発言に関しては、はっきりとは明かさなかったが、「封印」する可能性も感じられた。
江原さんがテレビに出なくなった原因については色々と語られている。
全国霊感商法対策弁護士連絡会は、江原さんが出演していた「オーラの泉」「天国からの手紙」などの霊界を語る番組が霊感商法などを助長しているなどとして、2007年3月に日本放送協会や放送倫理・番組向上機構(BPO)などに対し番組内容を見直すべきだとの要望書を提出した。
また、江原さんが出演した07年7月28、29日放送のフジテレビ系「FNS27時間テレビ」では、秋田県の美容院経営の女性に亡き父親からのメッセージを伝えた。しかし、それが個人の名誉を傷つけたとし、BPOは08年1月21日に「人間の尊厳を傷つけかねない」とする意見書をまとめた。
「スピリチュアル的にはどうですか?」に言葉を濁す
さらに、「霊視」について週刊誌などがその真偽についての記事を書きたてた。「週刊文春」の08年1月24日号では「江原啓之『インチキ霊視』 檀れい『死んだ父親』が生きていた」などといった記事を掲載した。こうしたことがあって、約4年続いた「オーラの泉」は09年3月で終了。江原さんのテレビ出演が減ったのはそれからだ。
実は、その後の江原さんのスピリチュアル活動は減速している。2010年頃には個人に対するカウンセリングを休止した。その後の話題といえばウオーキングによって16キロ減量したとか、08年にオペラデビューして舞台に、といった話題ばかり。チャリティーコンサートを開くなど音楽活動にも取り組んでいる。最近では雑誌などに登場してもスピリチュアルの啓蒙活動は薄れているようだ。
「女性自身」2014年7月8日号では、評論家さながらにSTAP細胞ねつ造疑惑やゴーストライター騒動などについて語っている、としてちょっとした話題になった。雑誌「アンアン」の最新号(15年4月1日号)では「開運」の特集が組まれ、数ページにわたって江原さんが登場しオーラの分析をして見せたが、内容といえばスピリチュアルではなくよくある「占い」だった。MXの「5時に夢中!」や「バラいろダンディ」に出演した際にも、司会者から「スピリチュアル的にはどうですか?」などと質問されることがあったが、なんとなく言葉を濁しているのが見て取れる。
近年の江原さんを見ると、スピリチュアルに関する講演活動は相変わらず行っているようだが、テレビや雑誌など公の場では避けているかのように思える。江原さんが所属するワタナベエンターテインメントに今後の江原さんの活動姿勢などを問い合わせたが、
「担当者は外出中で戻りません」
ということだった。