日本市場ではオリジナルモデルを出す独自の動き
HTCの「おひざ元」である台湾ではどうか。現地在住の日本人男性は、まだまだHTCの存在感は大きく、感覚的にはアップル、サムスンと並ぶ人気だと話す。都市部のショッピングモールには専門店を構え、スマホをはじめ商品が陳列されている。「HTC One M9」の発売を宣伝する看板も立っている。
同社は、日本では独自の動きを見せる。「HTC J」のブランド名で数機種を出しているが、これは日本オリジナル。グローバルモデルとなる「HTC One M9」が日本で発売されるかどうかについては、HTC日本の広報は明言を避けたが、「ここ数年、日本にはグローバル端末が出ることは少なく、日本独自のものが発売されることが続いております」と説明する。ただ、その日本市場でもHTCの存在感が大きいとは言えないのが現状だ。
2014年リリースした旗艦モデルのスマホは、ライバルを蹴落とすほどのパワーには欠けていた。その後継機となる「M9」にかけるHTCの思いは強いだろう。MWCで一定の話題は集めたが、同じタイミングでサムスンが「ギャラクシー(Galaxy)」を大幅にリニューアルし、しかも2機種を投入した。アップル人気は健在で、「中華スマホ」の勢いはまだ続いている。HTCにとっては正念場が続く。