過熱する一方の銀座「免税店」戦争 ヤマダ電機も参戦、 狙いは中国人の「爆買い」

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   家電量販店の最大手、ヤマダ電機は2015年4月中旬、東京・新橋に初の免税専門店「LABIアメニティー&TAX FREE 新橋銀座口店」をオープンする。

   売り場面積は約4100平方メートルと、国内最大級。JR新橋駅近くにある、エンターテイメント性の高い都市型店「LABI(ラビ)」が、ビル1棟(1~8階)まるごと消費税の免税店に生まれ変わる。

  • ヤマダ電機も東京・新橋に1棟まるごと「免税店」をオープン!(画像は、ヤマダ電機のホームページ)
    ヤマダ電機も東京・新橋に1棟まるごと「免税店」をオープン!(画像は、ヤマダ電機のホームページ)
  • ヤマダ電機も東京・新橋に1棟まるごと「免税店」をオープン!(画像は、ヤマダ電機のホームページ)

ヤマダ4100平米、三越伊勢丹3300平米、ロッテ4400平米 売り場面積競う

   ヤマダ電機は免税専門店に、高級ブランド品やコスメ・美容関連商品などを品揃えした。また海外で人気の家電製品や、日本のおみやげ品などを取りそろえたコーナーを設置するほか、クスリや日用品を取り揃えたフロアを用意する。

   さらに男性用に特化した化粧品・理美容製品コーナーに加えて、AGA(育毛・発毛治療)クリニックが開業する予定だ。

   同社は免税専門店について、「戦略的新業態店舗」とし、「新橋は幅広い世代の男性や銀座に出かける女性に加えて、訪日外国人観光客でにぎわう街に変化しつつあります。こうした多様なお客様に最適な新しい発見をしていただける店舗にします」と話す。

   今後は既存店舗の免税売り場の充実を図っていくほか、免税専門店の多店舗展開についても「社会ニーズの変化を見ながら検討していきます」という。

 

   銀座界隈には、すでに中国・蘇寧電器集団の傘下で「総合免税店」の看板を掲げるラオックスが銀座本店と秋葉原本店を構えている。

   もともと銀座周辺は電気街の秋葉原や、大手百貨店や老舗の名店が立ち並ぶ日本橋が近いこともあり、訪日外国人客で賑わうエリア。最近は家電製品や化粧品、食料品を次々に「爆買い」する中国人観光客の姿で、すっかりお馴染みだ。

   そこに、2015年秋以降には三越伊勢丹ホールディングス(HD)や韓国のロッテ免税店が新たに進出する。三越伊勢丹HDは、三越銀座店8階にデューティーフリーショップ「JAPAN DUTY FREE GINZA」を開く。売り場面積は約3300平方メートル。沖縄を除くと日本初となる、輸入関税や酒・たばこ税が免除される「空港型免税店」という。

   ラグジュアリーブランドを中心としたファッション、ジュエリー、ウォッチ、化粧品などを取り扱う。「日本ならでは」の商品もそろえる。

   ロッテは2015年度下期に、売り場面積4400平方メートルの空港型免税店をオープン。銀座5丁目に開発中の地上11階建て商業ビルの8~9階に入居する。化粧品や酒・たばこ、日本のおみやげ品などを販売。買った商品は羽田空港と成田空港で受け取れるようにする。

   また、2月にはビックカメラも旗艦店の有楽町店に免税売り場を設置。ラオックスも今後、売り場面積の拡張を進める計画とされる。

免税店、東京都内に3268か店も

   観光庁によると、国内の免税店は2014年10月1日時点で9361か店にのぼる。同年4月1日時点から、一気に3584か店(62.0%)も急増した。このうち、東京には3268か店が集まる。

   背景には、14年10月の免税制度の改正で免税対象商品がそれまでの家電製品や衣料品などに加えて、食料品や化粧品、薬品などに拡大されたことがあるが、ターゲットとされる中国人観光客の「爆買い」への期待があるとみられる。

   一方、2014年の訪日外国人の旅行消費の総額は前年比43.3%増の2兆305億円にのぼり、過去最高を記録した。このうち、買い物代は7142億円。宿泊代(6093億円)よりも多く使っているのだ。

   訪日外国人客は中国や台湾、韓国をはじめ、年間1300万人を超えた。「免税店が増えても吸収できる」(大手家電量販店)との見方もあるが、免税店の乱立で競争激化も懸念されている。

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