「伝統にとらわれて弊害起こしてる」
ところが、朝日新聞の01年11月10日付夕刊記事によると、卒業生や父母らから「東大のシンボルでやりたかったのに」「せっかく上京して、東大を見に来たのに、あんな場所でやるなんて」と苦情が相次いだ。
当日は、卒業式終了後に、安田講堂をわざわざ訪れ、そこで記念撮影する親子連れが続出したそうだ。そこで、東大でも、その気持ちを汲んで、翌年から会場を安田講堂に戻していた。
今回も卒業式を巡って騒ぎになったため、ネット上では、「伝統にとらわれて弊害起こしてる」「東大はなぜ安田講堂にこだわるんだろう」と疑問の声が出た。中には、「安田講堂の席の数だけ卒業できるようにすれば,もめないんじゃないかな」などと皮肉もあったほどだ。
父母らの参列が多い入学式は、日本武道館で行っているため、「卒業式も武道館でしてあげたらいいのに」との声も出ていた。
東大の総務課では、卒業式で安田講堂に入れなかった人がいたことを否定したが、卒業生の5分の1ほどは講堂内で立ち見だったことを明らかにした。また、大学院修了式では、入り切れなかった人が多数出て、廊下でモニターを見る人が数百人いたほか、御殿下記念館でパブリックビューイングを利用する人が約130人いたことも認めた。ただ、入場時間前に安田講堂で列ができたものの、数百人も並んでいたことはないとした。
なお、耐震改修工事後は、以前より8座席減っただけだとし、キャパが大きく変わったことはないという。