バブル期上回る「4万円への展望開ける」?
三菱UFJモルガン・スタンレー証券・景気循環研究所の嶋中雄二所長は、お金の総合サイト「ZAIオンライン」(3月23日付)に、「円安と原油安、超低金利の恩恵で3年間ノンストップの好景気に突入し、2016年末頃までに日経平均3万円の可能性もある」との予測を寄せている。
武者リサーチの武者陵司氏は、3月9日付のブログ「武者ストラテジー」で、6日に日経平均が1万8900円台に乗せて15年ぶりの高値を付けたことにふれ、「力強い長期上昇の波に入った可能性が濃厚。世紀の上昇相場の、第2の波に入ったと思われる」と指摘した。
武者氏はさらに進めば「3万~4万円への展望が開けてくる」とみているが、4万円となれば、あのバブル全盛期に付けた3万8915円87銭を上回ることになる。
みずほ総合研究所市場調査部の武内浩二主席エコノミストは3月16日付のレポートで、海外投資家が「好需要」「業績の改善期待」「日本企業のコーポレートガバナンスの強化」の3点から、日本株に対して強気な見方に転じているとみている。
同社は株価の長期的な水準を2020年に2万3500円としているが、「これを上方修正する余地があると考えています」(武内氏)と話す。
第一生命経済研究所経済調査部の首席エコノミスト、嶌峰義清氏は「2017年4月に消費税率が10%に引き上げられれば、株価は下がるでしょう。しかし、それまでにデフレから脱却できていれば、株価は長期的に上昇していくというシナリオは無理な想定とはいえません」と話す。
ただ、「東京五輪は前回(1964年)ほど強力な原動力にはなりません」と指摘。そのうえで、「いま、日本の投資家は『一過性のブームで終わるのでは』という不安な気持ちと、『まだ行ける』という思いとで、揺れているんだと思います」という。
嶌峰氏は、「15年末には2万3000円。その後、高くて2万5000円。2020年には(ブームが)剥落することを踏まえて2万円」と、やや控えめに予測している。