連日の上昇が続いて、「2万円」の大台が見えてきた日経平均株価。個人投資家の中には「そんなもんじゃない」「まだまだ上がる」などと鼻息を荒くする人もいる。
2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されるが、「それまでは株価も上がる」との見方は少なくない。先行き、「2万5000円」「3万円」の株価を予測する専門家もいる。
日本株は大相場に発展する?
東京株式市場の日経平均株価は下がる気配がない。2015年1月5日終値で1万7408円71銭だった株価は、3月23日には一時1万9778円60銭の年初来高値を更新。終値は1万9754円36銭で引けた。3か月も経たないのに13.5%も急騰したことになる。
「爆上げ目前!」「最強日本株!」などと、週刊誌や経済・マネー誌も前のめり。これまで懐疑的にみていた個人投資家も、現実味をもって受けとめられるようになってきたようだ。
そんな最近の株式相場を演出しているのは、円安に原油安、低金利の「トリプルメリット」に、米国景気の拡大がある。また4月からの消費増税の心配もなくなり、国内企業の業績も好調で2ケタ増益が見込まれるほど。それに伴う賃金アップで、景気の足を引っ張っていた個人消費の回復への期待も膨らむ。
さらには年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)の大量買いだ。投資手帳4月号は「GPIFの買いで需給が大幅に改善した」と指摘。「ジリ高局面が続いた相場は需給が良好で、大相場に発展することが多い!」としている。
しかも世界的な長期金利の低下で投資マネーは株式市場に流れ込んでいるうえ、日本銀行の追加の量的緩和の期待も株価上昇にひと役買っている。日本株のムードは明るい。
なんだか、当面は下がる気配がないようにみえるが、調整が入る材料はある。たとえば、配当の権利落ち。3月期決算企業の配当金や株主優待を受け取るには、15年は3月27日までに、その企業の株式を買う必要がある。それにより株価の上昇が見込めるが、権利が確定すると売ってしまう投資家が現れ、4月以降は株価が下落する可能性が高まるわけだ。
また例年、4月下旬から5月にかけて開かれる企業の決算発表を機に、一たん調整局面に入ることがある。
とはいえ、そんな調整局面があったとしても、難なく乗り越えてしまう「勢い」が最近の株価にはあるとの見方が支配的なようだ。