【大震災 若者の挑戦(3)】
「復興」から「地域おこし」へ大学生が奮闘 がれきの片づけから始まり、今は農家の野菜販売も

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

復興住宅の住民に地元の野菜を提供

   農業を再開した被災農家が徐々に収穫をあげていくと、次は野菜の販売支援だ。2012年11月、仙台朝市の店舗型の「りるまぁと」を開店し、毎土曜日に被災農家が育てた野菜を販売。その後、農家の生産が向上してきたタイミングで2014年8月に「くるまぁと」にシフトした。店舗を増やすのは難しいが、車を使った移動販売なら身軽だ。ReRootsが拠点を置く若林区には、家を失った被災者が住む荒井東復興公営住宅が建つ。一方、近くにスーパーはじめ買い物施設がない。地域の専業農家から野菜を一部出してもらい、多額ではないが収益増に貢献できる。復興住宅へ出向けば、住人はなじみ深い地元の野菜を食べられる。くるまぁとの販売スタッフが野菜販売を通して人々と触れ合って、コミュニティーづくりを促す一歩とするのだ。

   販売担当の大里さんは、この大目標に向けて試行錯誤を繰り返している。もっと大勢の住民にくるまぁとを知ってもらうには何をすればいいのか、農家と買い物客いずれも「ウィン・ウィン」になる方法はないか――。今は販売自体を学ぶ段階で、ReRootsの仲間たちと頻繁に話し合い、「気づけば一緒に旅行した先でも、議論しています」と笑う。

   大里さんのように、ReRootsの理念に賛同してボランティアに加わる学生は毎年増えているそうだ。活動4年目は、新規メンバーの勧誘時に過去最多の80人の学生が参加を希望してきた。若者たちの旺盛な意欲が、「地域おこし」を目指すReRootsの活動を支えていく。

1 2 3
姉妹サイト