朝日新聞は、記者が大使館員に怒鳴ったことは否定
大使館員は、朝日記者とのやり取りの後に病室に来て、結城法子さんにインタビューを受ける必要はないと勧めた。その理由として、「体調も良くないし、インタビューがどう使われるかわからないし、あなたには断る権利があります」と述べたという。これに対し、結城さんは、「今まで、義務だと思いインタビューを受けていたので、涙が出るほどうれしかった」と書いている。
その後、フジテレビにも取材を申し込まれ、断る代わりに自分の気持ちを伝えようと手記を書くことにしたと明かした。結城さんも母親も体調は悪いといい、「どうか私たちを静かに見守っていてほしい」と訴えている。
フジテレビなどによると、この手記については、必ず全文を使用するとともに、これまで撮ったインタビューも流さないように求めている。
朝日新聞では、3月23日付朝刊で、結城さんの求め通りに、手記の全文を載せるとともに国際報道部長名で異例の経緯説明をした。それによると、記者が病院の医師に取材したところ、「軽傷なので病室に行くといい。インタビューできると思う」と言われ、警備担当者の先導で病室に向かった。病室前にいた大使館員から「できない」「だめだ」と制止されたが、「結城さんご本人やご家族が断るならわかるが、あなたが決める権利はないですよね」と食い下がった。「ご本人に聞いてみてほしい」とも求めたが、大使館員は一歩も引かず、病室に向かった。そして、警備担当者に促されて退出したという。
経緯説明では、記者は大声を出したつもりはなかったと説明したが、結城さんが手記でショックだと明かしたことには、「重く受け止め、結城さんにおわびします」としている。
NHKは、ニュースサイト上で結城さんのインタビュー内容を書いた記事をアップしているが、写真や映像は使っていない。また、日テレは、ニュースサイト「NNN」で、インタビューの映像配信ができないとして、音声だけを流している。しかし、NHK も日テレも、23日夕時点で、結城さんの手記については何も触れていない模様だ。