トヨタ自動車のハイブリッドカー(HV)の「プリウス」。二酸化炭素(CO2)の排出量が少なく燃費もよい「エコカー」だが、米カリフォルニア州ではそうではないらしい。
同州は厳しい排ガス規制で知られているが、HVはもはや最新の技術として認められていないという。
カリフォルニア州のZEV規制、基準未達は罰金も
日本でも米国でも、環境性能の高いハイブリッドカー(HV)普及のけん引役となったのが、トヨタ自動車の「プリウス」であることは異論のないところだろう。米国でもプリウスはHVの代名詞といっていい。
そんなプリウスが、米カリフォルニア州ではすでに「エコカー」ではないという。次世代自動車振興センターなどによると、カリフォルニア州には自動車メーカーに対して販売台数の一定割合を電気自動車(EV)などの「排気ガスゼロ車(ZEV)」とするよう義務付けた、「ZEV規制」がある。
1990年に導入。EVや燃料電池車(FCV)のみで規制をクリアすることはむずかしいため、HVやプラグインハイブリッドカー(PHV)、天然ガス車など排気ガスの排出が極めて少ないクリーンな車両などを組み入れることが許容されていたものの、規制は少しずつ見直され、強化された。
2012年にはHVが規制の枠組みから外され、また現在、自動車メーカーにカリフォルニア州内で売る新車の14%をZEV車にするよう義務づけている規制が、2018年からは16%に引き上げられる。
規制強化はCO2排出量のさらなる削減と、そのための技術革新を促すことが目的とされるが、基準未達の自動車メーカーは罰金を払うか、基準を超過して達成したメーカーから「ZEV排出枠(クレジット)」を購入しなければならないなど、厳しい。