改正「円滑化法」の影響
こうした老朽化したマンションの建て替えを後押ししたのが、2002年に施行された「マンション建て替えの円滑化等に関する法律」(円滑化法)だ。しかし、今後ますますマンションの建て替えは進むとみられる。
背景には、2014年12月に施行されたばかりの「マンションの建て替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律」(改正マンション建て替え円滑化法)がある。
耐震性の不足や老朽化が進んだマンションを売却する場合、これまでの円滑法では所有者全員の同意を必要としたが、改正法では区分所有者の5分の4が同意すれば建物の解体と跡地の売却が可能になる。所有者が組合をつくり、その組合が土地や建物をまとめて不動産会社などに売却できる。つまり、マンションを解体して、敷地を売却しやすくしたわけだ。
不動産経済研究所は、「建て替えマンションはなかなか難しい案件ですが、デベロッパーが積極的に取り組むことで増えてくるでしょう」と話す。
東京都心では、湾岸エリアなどの再開発に絡んだ新築マンションはなお少なくないが、開発が進んだ山手線内の都心部の好立地物件は、かなり供給が限られている。半面、築年数の経っている、建て替えが必要なマンションも少なからずある。
改正法によって老朽化した都心にある好立地のマンションの売却が進めば、今後「ザ・レジデンス三田」(旧シャトー三田)のような、「億ション」が出てくる可能性は「まだ、あります」(不動産経済研究所)という。