厚生労働省の調査では、パソコンやスマートフォンに夢中になる「ネット依存」の傾向がある人は全国で420万人に上る。
人気歌手の安室奈美恵さん(37)も一時はネットにハマってしまい、現在は意識的にネットを遠ざける「ITデトックス」をしていると雑誌インタビューで告白し、話題を集めた。かつては「これはマズいんじゃないか」と自覚するほどネットショッピングで買い物をしていたという。
「お互い無言でスマホの画面を見ていたり」
安室さんは女性ファッション誌「Gina」(ぶんか社)3月号のインタビューで、
「実は私、最近ネットショッピング絶ちをしているんです(笑)」
と語った。かつては洋服に限らず、チーズやパスタなどお取り寄せグルメなど、自分でも「これはマズいんじゃないか」と思うほど買い物をしていたという。
また、課金制のゲームアプリにもハマっていたらしく、「気がつくと、誰かと同じ空間にいても、お互い無言でスマホの画面を見ていたりする」ほどだった。
告白はファンを「安室ちゃん20年来のネット中毒だったのか」と驚かせたり、「ネットにすがるのは仕方ないと思う」と多忙な環境について気づかわせたり、さまざまな反響を呼んだ。
安室さんに限らず、こうした「ネット依存」と言える状態に陥っている人は増加傾向だ。厚生労働省の研究班が13年に行った調査では、男性の4.5%、女性の3.5%に「ネット依存」の疑いがあるとし、日本の人口にあてはめると全国で計421万人に達すると推計している。08年調査と比べて1.5倍に増えている。
この調査では特に強いネット依存が疑われることを「病的な使用」と定義している。研究班の代表を務めた樋口進氏が在籍する久里浜医療センターでは11年7月にネット依存治療研究部門を開設。健康に影響が出たり、会社に行かなくなったりするなど、生活に支障が出てしまった人の治療を行っている。
また、ソフトウェア大手シマンテックが12年に行った調査では、日本人の19%はネットがなければ3時間以内に禁断症状を覚える、と回答していたという。