乗客が動き出してから転落するまで数秒間しかない
(1)の、立っている人が線路方向に倒れこむパターンも30%を占め、
「既に小脳の平衡機能が低下しているところに、更にホーム上で列車を待つ間に蓄積される疲労や眠気による意識レベルの低下といったような要素が加わることで自力で姿勢を制御することが次第に困難になり、バランスを崩して軌道内に倒れこむような形で転落するに至るものと考えられる」
と分析している。
事故の89%を占める(1)(2)のパターンについては、
「ホーム上で静止している酔客が行動を再開してから軌道転落や触車に至るまで数秒間しか暇がなく、この段階で駅員や警備員が声かけをしたのでは手遅れである」
とも指摘しており、対応には限界があるようだ。今後、さらに有効に乗客の前兆を把握するための研究を進めたい考えだ。