任天堂、ゲーム専用機から3~5年以内に撤退  ロイターの大胆予測がネットで話題に

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   任天堂とDeNAの資本・業務提携をきっかけに、あることが囁かれ始めた。業績低下に苦しむ任天堂がスマホゲーム市場に転換し、ゲーム専用機事業を縮小するのではないか、というのだ。海外の大手通信社などは3~5年以内にゲーム専用機事業から撤退する、などと報じた。

   任天堂は1983年の家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」の発売以降、自社で開発したハードで自社開発のゲームソフトをプレイさせるという戦略を貫いてきた。しかし、国内の家庭用ゲーム市場が縮小を続けるなかで、スマホゲームは7000億円規模と家庭用ゲームの倍に成長し、任天堂もこれを無視できなくなった。スマホゲーム参入によって、従来の戦略が大きく転換することは間違いないのだ。

  • 任天堂「あくまで事業の核となるのは家庭用ゲーム機です」(画像はイメージ)
    任天堂「あくまで事業の核となるのは家庭用ゲーム機です」(画像はイメージ)
  • 任天堂「あくまで事業の核となるのは家庭用ゲーム機です」(画像はイメージ)

任天堂がスマホゲームに参入した理由は何か

   任天堂とDeNAが資本・業務提携するきっかけとなったのは2010年6月、DeNAが任天堂に対し自社のソーシャルゲーム「モバゲー」に任天堂のキャラクターを出してほしいと打診したことが始まりだったという。ただし、当時の任天堂にとって他社に自社のゲームコンテンツを出すなど考えられないことで、スマホゲームへの参入もずっと否定してきた。

   2015年3月17日の記者会見で任天堂の岩田聡社長は、スマホゲームが人気だから資本・業務提携をしたわけではない、などと語った。DeNAと一緒にどんな事業ができるかが第一にあった、とした。両社の役割分担としては、任天堂がゲームの企画や開発を担当し、DeNAはサーバーの開発や運営、顧客情報の分析が主になるとしている。岩田社長はスマホゲーム参入に関して「たまたま」のような言い回しをしたが、それは任天堂特有の表現方法であり、実際は尻に火が付いて手を伸ばしたものだと分析する人もいる。ちなみにゲーム業界はゲーム専用機、パソコン、アーケード、スマホ(モバイル)の大きく4つに分類され、任天堂はこれまで家庭用ゲームだけだった。

「任天堂は2014年3月期まで3期連続で営業赤字を計上し、据え置き型ゲーム機『Wii U』も見込みが外れるなどジリ貧状態。ソニーも含め家庭用ゲーム機の見通しが暗い中で、急伸するスマホゲーム市場に飛びついたのは明白だ」

と分析する人もいる。

   そうした中で、ロイター通信は15年3月18日のウエブ版で、

「任天堂はあと3~5年で家庭用ゲーム機事業から撤退する」

という予想を掲載した。

「据え置きは消えていく運命なのだと思う」という意見も

   CLSAキャピタルパートナーズのアナリスト Jay Defibaugh氏がコメントしたもので、記事は任天堂の戦略の大転換を扱ったものだ。DeNAと資本・業務提携したことで任天堂株は18日に前日比21%高のストップ高となる1万7080円まで上昇し、また、投資銀行JefferiesのアナリストAtul Goyal氏は、任天堂の目標株価を1万2400円から3万円に引き上げ、これまでの「保有」から「買い」に変更したという。

   投資家たちは任天堂に対しずっとスマホ市場に目を向けるように求めていて、やっと任天堂は重い腰を上げた形だ。これによって任天堂の業績が大きく回復することが見込まれるため、投資家たちから歓迎されている。一方、スマホゲームに戦略が移れば任天堂のゲームファンもそちらに流れるため、従来のゲーム機事業の売り上げがさらに下がることは必至であり、事業自体の終了が迫っている、という内容だった。

   ではスマホゲームに参入することでゲーム専用機事業は縮小していくことになるのだろうか。任天堂広報に話を聞いてみると、

「3~5年以内に撤退というのは当社から出した情報ではありません。先日の記者会見で新たなゲーム機を発売すると発表したことでも分かるように、あくまで事業の核となるのは家庭用ゲーム機です」

と説明した。岩田社長は18日の記者会見で新型ゲーム機「NX」について語った。詳しい内容は2016年に発表するとしているが、DeNAとは直接関係のない新コンセプトのゲーム機をこの場で発表したかについては、

「任天堂はこれからもゲーム専用機のビジネスをしっかりやっていく情熱と展望を持っています」

ということを示したかったからだとも説明した。

   任天堂がゲーム専用機事業から撤退するのではないかというニュースはネットでも話題になっていて、とにかくゲーム専用機の種類が多すぎるため任天堂が撤退しても任天堂のゲームが他社の機種で遊べるなら問題はない、などとしている人もいる。また、ゲーム専用機そのものの魅力が薄れているから、これからはスマホやPCで遊ぶようになるのではないか、と予想している人もいて、

「任天堂はNXで失敗すれば撤退すると思う」
「任天堂が撤退すれば競争相手がいなくなるソニーも衰退するのでは?」
「据え置きは消えていく運命なのだと思う」

などといった意見が掲示板などに出ている。

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