「医療事故調査制度」の運用指針巡り対立 病院による事故調査の扱いで合意できず

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届け出るかどうかは、基本的に医療機関の判断

   また、死亡を第三者機関に届け出るかどうかは、基本的に医療機関の判断とされる点も、遺族側には不安な部分だ。最近の群馬大病院の腹腔鏡手術後に8人が死亡した問題でも、病院の対応の鈍さが医療機関不信を増幅しているように、組織の自発性と自浄機能の乏しさが指摘されて久しい。遺族側が調査を望んでも、医療機関が「予期せぬ死亡事故ではない」と言えば届け出が行われない可能性もあるのだ。このため、医療機関が届け出ない場合などは、遺族の相談を受け付ける機能を、第三者機関に持たせるべきだと指摘する専門家もいる。

   ミスを連発する不良医師は論外としても、医師個人の責任追及ではなく、同じような事故をいかに再発させないかが、制度の大きな目的だ。そのために医療側と遺族側が知恵を出し合うことが必要だが、そうした建設的な議論は、まだ始まったばかりということだろう。

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