乗車率は東57%、西48%
とはいえ、両社の広報担当によると、3日間の平均乗車率は東57%、西48%にとどまる。18席限定の最上級グランクラスでも利用状況はともに80%台だ。
土日のピーク時を除くとガラガラの車両が生まれるのも当然で、乗客から「こんなので大丈夫なのかな?」と心配の声すら上がるのも納得だ。ではなぜ、両社とも「好評だった」と3日間を振り返っているのか。
両社が上げたのは、輸送力の大幅な増加だ。北陸新幹線は停車駅の少ない「かがやき」が1日10本、上越妙高や新高岡に止まる「はくたか」は14本、それぞれ東京~金沢間を往復する。単純比較はできないが、開業に合わせて廃止された、越後湯沢から金沢などを1日13往復していた在来線特急「はくたか」に比べると大きく本数が増えている。
車両数も6両または9両編成だった在来線特急「はくたか」に比べて、北陸新幹線は12両編成になった。本数が増え、1本あたりのキャパシティーも増えたのだから、空いているのは当然だ、という見解だ。
乗車率が低く、空席が目立ったことについて両社は、「(54%の)山陽新幹線と比べてもいい数字。100%になるように編成を短くすることもできるが、繁忙期や土日祝日を考えるとそれぐらいの容量がないといけない」(JR西・真鍋社長)、「本数が増えたことで、お客さまに多くの選択肢を示せている」(JR東・広報担当)と気にしていないようだ。