「USJ誘致」「第2滑走路」、仲井真氏応援のスローガンだった
発言はこれだけでは終わらなかった。2015年2月の訪日外国人数が、前年同月比57.6%増の138万7000人だったことにも触れ、
「こうした観光客が沖縄に来て相乗効果が出てくればいいと思う。沖縄は大変な勢いで観光客が増えている。そういう意味で、沖縄県の第2空港(編注:「那覇空港の第2滑走路」の言い間違いだとみられる)の整備も、しっかりと支援をして1日も早い完成につながるように政府としては支援をしたい」
と述べた。14年に沖縄県を訪れた観光客は前年比10.0%増の705万6200人で、2年連続で過去最高を記録している。USJの誘致が追い風になるのは確実だ。
このUSJ誘致と第2滑走路の建設は、菅官房長官が14年11月に沖縄入りした際に訴えていたことでもある。沖縄訪問の目的は、3選を目指していた辺野古容認派の仲井真弘多(ひろかず)知事(当時)の応援だった。結局、この「アメとムチ」作戦は奏功せず、仲井真氏は落選した。
政府は、表向きには基地移転と経済振興はリンクしないという立場を繰り返し表明している。だが、辺野古反対派の翁長雄志氏が当選したことで政府と沖縄県の関係がギクシャクする中、政府が「USJ」「第2滑走路」という「アメ」を改めてちらつかせ、翁長氏へのゆさぶりをかけているといってもよさそうだ。