翁長雄志知事との面会が4か月以上にわたって実現しないなど、沖縄県には一貫して冷淡な態度を取り続けてきたように見える菅義偉官房長官が、沖縄関連では珍しく饒舌になる場面があった。
菅官房長官が強い興味を示したのは、テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」(大阪市此花区)の話題。運営会社の社長が沖縄県内にも施設を建設する方針を明らかにしたのに対して「政府としてもバックアップ体制を整えていきたい」と力を込めた。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古沖への移転問題をめぐる強硬姿勢とは対照的で、「アメとムチ」だとの見方も出そうだ。
「まだ私、具体的には確認していませんけれども...」と前置きはしたが...
USJの運営会社、ユー・エス・ジェイのグレン・ガンペル社長は2015年3月18日に大阪市内で開いた会見で、
「現在議論が進んでいるのは、沖縄に新たなテーマパークを開設すること」
などと計画を明かした。ガンペル社長によると、計画は「初期段階」。米国や大阪のように必ずしも映画をテーマにすることにはこだわらず、沖縄に合った内容の施設を建設したい考え。開業時期や具体的な場所は未定だが、建設地としては名護市の名護自然動植物公園(ネオパークオキナワ)が有力視されている。
菅官房長官は3月18日午後の会見で、ガンペル社長の発言を記者から知らされ、
「まだ私、具体的には確認していませんけれども...」
と前置きしながらも、発言は饒舌だった。
「政府としては沖縄の振興策について、安倍政権として全力で取り組んできた」
として、これまでに直接USJの幹部と面会し、
「沖縄振興を考えた時には、きわめてインパクトがあるということで、政府としては出来る限りの支援をしたい」
などと伝えたことを明かした。その上で、政府として沖縄県を支援することについても、
「沖縄県とユニバーサル・スタジオ・ジャパン、ここをつないで後方支援をしてきているので、正式に決まれば沖縄県民も大きなインパクトがあって歓迎してくれるだろうと思う。このことを実現に移すために政府としてもバックアップ体制を整えていきたい」
と力を込めた。