「本業を伸ばす地道な活動で企業価値を高める」
同社のダニエル・ローブ最高経営責任者(CEO)は、水面下で稲葉善治社長などファナック経営陣との接触を求めているが、ファナック側は今のところ応じていないようだ。一方、同社は2月16日、約1300億円を投じて栃木県内に工作機械部品の新工場と研究所を建設すると発表した。稲葉善治社長は一部メディアの取材に応じて「本業を伸ばす地道な活動で企業価値を高める」として、ファンドの要求には応じない姿勢を示唆した。
サード・ポイントは、業績不振に苦しむソニーへの投資で一躍名をはせた。2013年春に同社の株を取得し、ピーク時には発行済み株式の7%程度を保有。ローブCEOがソニーの平井一夫社長と面会し、映画・音楽やゲームなどソニーのエンターテインメント事業を分離し、米国で上場するよう提案した。ソニーは「テレビなどのエレクトロニクス事業とエンタメ事業は一体運営すべきだ」と提案を拒否したが、エンタメ事業の情報開示を拡大し、コスト削減を徹底する収益向上策を発表。サード・ポイントは保有株を売却し、20%近い売却益を確保した。