日本の竹島(韓国名・独島)について、「米国務省のホームページが日本領土のように地図に表示している」と、韓国メディアなどで騒ぎになっている。また、地図では、「日本海」と国際的に認知された表示になっているが、韓国では、こちらにも不満が出ている。
騒ぎの発端になったのが、米国務省領事局サイトの韓国旅行情報に載せられた英文の地図だった。
韓国地図だけ「リアンクール岩礁」がなかった
そこには、米国政府が竹島を指して使っている「リアンクール岩礁」の表示はなく、島そのものもスペースには入らない地図の大きさになっていた。ところが、日本旅行情報に載せられた地図には、リアンクールの表示とともに島が描かれており、しかも他の日本の地名と同じ黒色で表示されていた。
また、韓国旅行情報には、日本の情報と同様に、「日本海」と表示されており、韓国の主張する「東海」ではなかった。
このことが韓国内で話題になったらしく、2015年3月16日になって、韓国メディアが一斉に報じた。
「独島は日本領土と堂々と書いてある」と朝鮮日報なども非難しており、「この地図を見たアメリカ市民が独島を日本領土とみる可能性が大きい」と断じていた。韓国旅行情報を見ると、14年10月31日に更新されたとあるため、韓国政府の外交部はなぜ今まで気づかなかったのかとも非難していた。
この騒ぎで韓国政府も動いたらしく、米国務省に対して表示の是正を求めたと中央日報などが報じている。
今回と同じような騒ぎは、米中央情報局(CIA)が15年1月4日、世界各国の情報をまとめた報告書「ワールドファクトブック」について韓国情報の修正版をアップしたときにも起きていた。
韓国抗議でも、米国政府は「日本海」変えず
修正版では、それまで表記していたリアンクール岩礁が削除されていたのだ。なお、ワールドファクトブックの日本情報には、変わらずに、リアンクールが表記されている。
これが韓国内で騒ぎになって、韓国政府もそのことをCIAに指摘し、すぐにリアンクールの表記が復活した。韓国の聯合ニュースなどによると、CIAは、修正過程における技術的なミスで地図からリアンクールの名称が抜け落ちてしまったと説明したという。
今回についても、地図のスペース上にリアンクールが載らなかっただけである可能性はあるが、真相はまだ分かっていない。米国務省のサイトでは、3月16日夕現在もリアンクールの表示がないままになっている。
CIAのワールドファクトブックでも、韓国情報に「日本海」と表記されており、韓国政府が「東海」に変えるように求めているというが、こちらは16日夕現在も「日本海」のままだ。米国政府は、11年8月の会見で、国際的に認知された日本海の名称は変えないとの立場を明言しており、現在も同じ見解に立っているようだ。