スイスフラン・ショックもなんのその 株価上昇もあってFX投資も活発化

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   2015年1月に起った「スイスフラン・ショック」が尾を引いて、低調に推移すると思われていた外国為替証拠金(FX)取引が、このところ活発化している。

   株価が高騰して投資家の心理も改善、リスクをとって積極的に投資する人が増えてきたとみられている。

1月の出来高、最高値更新の661兆円

株価の上昇で、FX投資も活発に!
株価の上昇で、FX投資も活発に!

   スイス国立銀行が為替介入の上限を撤廃したことに伴い暴騰した「スイスフラン・ショック」。日本ではインターネット証券大手のマネックス証券が、傘下の米国とオーストラリアのFX会社2社とマネックス証券のFX投資家が被った損失のうち約1億6000万円を肩代わりしたほか、GMOクリックホールディングスも子会社2社で約1億円分を肩代わりしたことが明らかになった。

   最終的に、投資家から資金を回収できなければ、FX業者の損失となるが、両社とも財務状況に与える影響はきわめて少ないとしている。

   マネックス証券が「未回収金のうち、日本国内の顧客分は百数十万円」というように、「欧州では経営が破たんしたFX業者がありましたが、国内ではスイスフランの取引そのものが少ないこともあって、ほとんど影響はありませんでした」(外為どっとコム総合研究所の神田卓也・上席研究員)という。

   とはいえ、スイスフラン・ショックでFXの中にはハイリスクな取引があることが改めて認識された。その半面、日本のFX業者には厳しい自己資本比率規制があって信用力が高く、経営破たんのリスクが抑えられていることもわかった形だ。

   そうしたなか、FXへの投資は活発だ。金融先物取引業協会によると、店頭FX業者の2015年1月の月間出来高は661兆円で、2か月連続で600兆円を上回り、最高値を更新した。

   「1月はスイスフラン・ショックに見舞われましたが、円安傾向による米ドル円の増加に加えて、スイスフラン・ショックの影響で欧州通貨に動きが出たため、欧州通貨の取引が活発になりました」(調査部)と説明。出来高は14年12月と比べて3.2%増えた。14年の月間平均出来高が335兆円だから、ほぼ倍増していることになる。

   FX自動売買最大手のインヴァスト証券も、「株価の上昇に連動して、為替に入ってきている投資家が少なくないようです」と話す。

自動売買(システムトレード)が浸透

   一方で、FX取引を始める個人投資家が増えている、との指摘もある。株式市場は日経平均株価が2015年3月13日に終値で15年ぶりに1万9000円台に乗せるなど好調に推移しており、「リスクをとって積極的に投資する人が増えてきました。株式だけでなく、FXにも投資してみようというムードが広がってきたようです」と、インヴァスト証券はみている。

   加えて、相場の方向性がわかりやすいこともある。たとえば、ギリシャの債務問題が再燃していた欧州の動向は落ち着きを取り戻しつつあるとはいえ、当面ユーロは下げ基調にある。日本円にしても、14年10月末に日本銀行が突然、追加の金融緩和措置に踏み切るなど、円安基調は変わらない。それどころか、さらなる追加の金融緩和があるとの観測まで広がっている。

   一方、米ドルは利上げ観測もあって、まだまだ「買い」の局面が続きそう。世界は米ドルの独歩高の様相にある。ドル円相場は15年3月10日に一時1ドル121円77銭まで上昇し、7年8か月ぶりに高値を更新した。

   あるFX業者は、「これだけ強い、弱いがはっきりとわかる局面ですから、投資しやすいことは明らかですし、たとえばドル・ユーロであれば、取引量は世界一ですから、いろいろな人が投資に参加しているので、暴落するような動きにはなりづらいこともあります」と説明。投資しやすい環境にあるとの見方を示す。

   さらには、初心者でも入門しやすい自動売買(システムトレード)が業界に浸透してきたことも後押ししている。自動売買は、投資のプロが作成した売買プログラム(ストラテジー)を「選ぶ」だけで投資がはじめられる。実際の取引はストラテジーが行うので、取引中にパソコンに張り付いている必要がない。多忙なビジネスマンや主婦でも取引できると人気になっている。

   たとえば、インヴァスト証券の「シストレ24」やFXプライム(GMO)の「選べるミラートレーダー」、FXCMジャパン証券の「ミラートレーダー口座」がそれで、インヴァスト証券では「シストレ24の15年1月の口座開設者全体に対する初心者の割合は44%、2月だと49%と約半分程度が初心者の方になります」と話している。

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