銀行が求めるのは「聖域なきリストラ」 崖っぷちシャープ、実行できるか

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主力の液晶パネル部門は激しい競争に巻き込まれる

   他の部門は営業黒字だが、前期から黒字額が増えるのは、スマホなどの通信部門のみ。主力の液晶パネル部門は、ジャパンディスプレイや韓国LGなどとの激しい競争に巻き込まれ、前期比15億円減の400億円に。白物家電などの健康・環境部門は円安の影響で輸入採算が悪化し、黒字額は同30億円減の180億円の見込みだ。複写機などのビジネスソリューション部門や、電子デバイス部門も黒字額が減る。2014年3月期は全部門が黒字だったため、経営陣に安堵感が生まれ、構造改革が遅れたとの指摘もある。

   当期純損益は300億円の黒字予想から一転、300億円の赤字に転落。今後のリストラ次第で、1000億円以上に膨らむ可能性も出てきた。

   業績不振の責任の一端は、銀行側にもある。2012年3月期、2013年3月期に計9000億円もの巨額赤字を計上したシャープの再建過程で、銀行はシャープに役員を送り込み、再建策の策定に関わってきたからだ。融資を膨らませてきた以上、銀行にとっても「引くに引けない」状況となっているともいえる。

   銀行が求めるのは「聖域なきリストラ」だ。シャープは海外の液晶テレビ工場売却などを検討しているが、それにとどまらず、太陽電池事業の大幅縮小・撤退や、電子部品工場の閉鎖・再編など、事業のポートフォリオの抜本的な見直しも議論になる見通しで、人員削減という痛みが伴う。

   シャープが新しい中期経営計画を発表するのは5月。銀行や投資家が納得する計画を示すことができるのか。残された時間は少ない。

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