低迷していた韓国・朴槿恵(パク・クネ)大統領の支持率が、この1か月ほどで10ポイント以上もアップしたなどと、韓国メディアが報じている。それも、マーク・リッパート駐韓米大使の襲撃事件が起きてからだというのだ。
就任から2年が経った朴槿恵大統領は、長引く不況を克服できず、韓国メディアからも「実績がない」と批判され続けている。2015年1月27~29日のギャラップ社世論調査では、ついに支持率も3割を切り、29%にまで落ち込んだ。
「米韓同盟の危機を感じて国内の保守層が結束」?
2月に入ってからも低空飛行が続いたが、ここに来て、支持率アップが連日のように韓国メディアに報じられている。
朝鮮日報などによると、朴大統領の支持率は、ギャラップ調査で3月に入って37%に達し、10~12日には、ついに40%台目前の39%にまでなった。
さらに、別の調査機関による世論調査によると、10日には支持率が46%にまで達したという。そのことを報じた韓国メディアでは、50%台に迫る勢いだとも指摘している。
支持率の上昇は、リッパート大使が5日に北朝鮮シンパともされた暴漢にナイフで顔を切られる事件があってからだった。
韓国メディアでは、その理由について、米韓同盟の危機を感じて国内の保守層が結束したためではないかと分析するところが多かった。つまり、韓国も北朝鮮シンパから狙われた被害者であり、国難のときには一致団結して大統領を支え、テロと戦わなければいけないと考えるからだという。
確かに、ギャラップ調査では、朴大統領の支持理由としては、「外交?国際関係」が3割を占めて一番多かった。年齢別では、働き盛りの20~40代が10~20%台と支持が低いが、50代で52%、60代以上では74%も支持されていた。
また、朴大統領が1~8日に中東4か国を訪問した外交面での効果も挙げられていた。朴大統領は帰国後すぐにリッパート大使を見舞いに病院を訪れ、強固な米韓同盟をアピールしている。