2015年度後期のNHK連続テレビ小説「あさが来た」のヒロインに、女優の波瑠さん(23)が選ばれ、3月12日に発表会見が行われた。
ネットには、「おめでとー!」「Seventeen時代から応援してたから嬉しい!」と、従来からのファンらの喜ぶ声があふれている。波瑠さんには、すでに映画で主演を務めた実績もある。かつては「若手女優の登竜門」のイメージがあった朝ドラヒロインだが、このところ人気女優の起用が相次いでいる。なぜなのだろうか。
堀北、杏、吉高・・・知名度ある女優が目立つ
9月28日からスタートする「あさが来た」は、古川智映子さんの「小説 土佐堀川」を原案に、幕末から明治初期に実在した女性実業家を描くストーリー。波瑠さんにとって4度目のオーディション挑戦でつかんだ、初の朝ドラヒロインだ。
かつて朝ドラといえば、「ちゅらさん」(01年)国仲涼子さん、「てるてる家族」(03年)石原さとみさんら、若手女優がブレークする出世作となるイメージが強かった。しかし、最近は「梅ちゃん先生」(12年)堀北真希さん、「ごちそうさん」(13年)杏さん、「花子とアン」(14年)吉高由里子さんら、すでに人気も実績もある女優の起用が目立つ。
波瑠さんも、映画「マリア様がみてる」「がじまる食堂の恋」で主演を務めたほか、「アゲイン 28年目の甲子園」などの話題作に数多く出演している。最近ではドラマ「ごめんね青春!」(TBS系)での活躍が注目された。CM出演も多く、ファン人気も高い、若手トップ女優の1人だ。
視聴率計算できる「安定路線」に
どうして、人気や実績のある女優の起用が続いているのか。芸能評論家の肥留間正明さんは
「元々、朝ドラは若手女優の登竜門と言える存在だったが、最近は新人を育てるよりも有名どころをキャスティングする安定路線になってきた」
と語る。大河ドラマや紅白が以前ほどの視聴率を稼げなくなり、朝ドラにかかる期待が大きくなっているというのだ。
有名女優を起用するようになってから、視聴率は回復傾向にある。00年台は10%台にとどまる作品が多かったが、最近は20%台を連発する作品が続いている。また「マッサン」シャーロット・ケイト・フォックスさんのように起用段階では知名度がない場合でも、相手役に実績のある玉山鉄二さんを配し、しっかり脇を固めている。
「受信料で成り立っているNHKも、最近は視聴率に敏感。今後も知名度のある女優を起用する安定路線は続くでしょう」
と分析している。