「クロスオーナーシップ」規制は民主党敗北で足踏み
テレビ朝日は14年4月から認定放送持ち株会社「テレビ朝日ホールディングス(HD)」と事業会社のテレビ朝日に移行した。両社の会長にはテレビ朝日生え抜きの早河洋・旧テレビ朝日社長(71)、社長には朝日新聞社で東京本社編集局長や常務を務めた吉田慎一氏(65)が就任した。
テレビ朝日社長は代々朝日新聞出身者が務めており、早河氏の社長就任は話題になった。それだけに、吉田氏の就任に対しては「先祖がえり」だとの評価が根強い。
テレビ東京も状況は似たようなもので、13年6月まではテレビ東京ホールディングス(HD)と事業会社のテレビ東京の社長を日本経済新聞出身の島田昌幸氏(70)が兼務。それ以降は、島田氏がHD社長のまま事業会社の会長になり、事業会社の社長は日経新聞出身の高橋雄一氏(63)が務めている。
特にこの3局にみられるような、新聞社が放送局に多大な影響を及ぼす状態は「クロスオーナーシップ」と呼ばれ、メディアの多様性を阻害するとの批判も根強い。09年の民主党政権発足時にはクロスオーナーシップの規制も検討されたが、後に民主党が各種選挙で大敗し、規制が見送られたという経緯がある。