朝日は半年で45万部減
このように、14年下期の平均部数を見る限りでは、朝日よりも読売が劣勢にみえる。だが、下期を月ごとにみていくと、様子は一変する。
読売の14年7月の部数は924万8446部で、12月は914万2753部。半年で1.1%減らした計算だ。これに対して朝日は、726万6866部(7月)、725万2277部(8月)、721万4122部(9月)、702万1480部(10月)、704万2644部(11月)、680万9049部(12月)と推移。半年で45万7000部、割合にして6.3%減らしていることになる。
朝日新聞では、14年8月に、いわゆる「慰安婦」問題をめぐる「吉田証言」関連報道が誤報だと認める検証記事を出したものの、謝罪がなかったとして問題化。9月には、原発事故関連の「吉田調書」の誤報を認め、記事の取り消しを発表した。11月には一連の問題の責任を取る形で木村伊量(ただかず)社長(当時)の辞任が発表されたり、第三者機関「報道と人権委員会」(PRC)が吉田調書の誤報に至るまでの経緯を検証した「見解」を発表したりするなどして、朝日新聞への注目が集まっていた。
半年間での急激な部数の落ち込みには、こういった問題が影を落としている可能性もある。