ネットのたまり場は時代ごとに変化している
LINEが舞台になった例としては、13年6月に広島県呉市で起きた女子生徒殺害事件がある。LINEのグループチャットでのトラブルがきっかけで、容疑者の少女は女子生徒を暴行、殺害した。また、LINEで中傷したり仲間外れにしたりするいじめも問題になっている。
ITジャーナリストの井上トシユキさんは、
「中高生がLINEを使うのはもはや当たり前。グループチャットは普段、自分たちが集まるたまり場のような感覚になっている」
と指摘する。
ただ、ネットにこうした空間ができたのは初めてではない。04年に長崎県で起きた小6女児同級生殺害事件を例に挙げ、
「この事件もプロフィールサイトでのトラブルがきっかけで起きています。子どもたちの密室とも言えるネットのたまり場は、初期の2ちゃんねるやチャットアプリ、プロフサイトなど時代ごとに移行している」
と語る。
これまでもネットを舞台とした事件が起きるたびに、使用制限など何らかの規制の必要性が訴えられてきた。今回の事件でも生徒のスマホやLINE使用について各地で見直しやチェック機能の強化の動きがあると報じられている。しかし井上さんは、
「生徒にスマホ使うな、LINE使うなといっても効果は薄いでしょう。権力がネットをチェックすると、検閲やプライバシーの侵害だとして違う問題も出てくる。まずは、いじめや事件につながるようなモラルの問題を生徒が考えるようにしないと解決につながらない」
と効果に懐疑的だ。