川崎市の中学1年、上村遼太さんが亡くなった事件で目に付くのは、無料通話アプリ「LINE」での少年たちのやり取りだ。
学校や保護者、警察など大人の目が届かない、いわば「密室」ともいえる空間で事態は急速に悪化していった。
少年らはLINEでひんぱんに連絡
「殺されるかもしれない」。上村さんは2015年になってから同級生にLINEでメッセージを送り、暴行を受けていることなど、自身のトラブルについて相談していた。すでに上村さんの顔には殴られてできた大きなあざがあり、友人らの心配に対し、グループを抜けたがっていることも明かしていたという。
今となれば、上村さんが助けを求めていたとも言えるメッセージだが、LINEに書き込まれた内容は結果として周囲の大人に届いていなかった。
これ以前から上村さんや容疑者らは頻繁にLINEでやり取りを行っていた。事件当日一緒にいたのも、上村さんから容疑者の1人に「遊びましょう」と声をかけたことがきっかけだ。また、容疑者の1人は事件発覚の翌日「もう俺のせいだよ」「もう会えないと思うとめっちゃ悲しいよ」などと心情を吐露していたとされる。
LINEには許可されたメンバーだけがグループ内でやり取りができる機能がある。上村さんが18歳少年を含まないグループを別に作って連絡を取っていたことが、少年を怒らせた可能性があると毎日新聞は報じている。