米国のマーク・リッパート駐韓大使(42)の襲撃事件をめぐり、韓国のネット上ではリッパート大使への激励や謝罪の声が相次いでいる。そんな中で議論になっているのが、リッパート大使への「差し入れ」だ。
韓国では、犬肉を食べると手術後の体力回復に役立つと考えられているが、リッパート大使は愛犬家として知られている。そんな中で犬肉を差し入れようとした男性がいたことが明らかになり、「回復を祈る気持ちでの純粋な行為」「恥ずかしい行為」などと意見は割れている。
韓国世論では大使への同情論広がる
リッパート大使は2015年3月5日朝、ソウル市内の講演会場で革新系団体代表、金基宗(キム・ギジョン)容疑者(55)に刃物で切り付けられ、右あごの上に長さ10センチ以上、深さ3センチの傷を負った。搬送先の病院では約80針を縫う手術が行われた。
同日中に大使が「米韓同盟を進化させるためにできるだけ早く復帰する」とツイートし、韓国語でも「(米韓で)ともに進もう」とメッセージを添えたこともあって、韓国世論では大使への同情論や「申し訳ない」といった声が広がった。
その中「不協和音」をかもしだしているのが、翌3月6日朝の出来事だ。韓国の通信社「ニューシース」が3月7日に報じたところによると、70代の男性が犬肉とワカメを持って大使が入院している病院を訪れた。この男性は「大使の回復のため」だとして犬肉とワカメを大使に渡すように望んだが、病院側は患者の安定や保安規定を理由に断ったという。