第64回NHK杯テレビ将棋トーナメントは2015年3月8日、準決勝第2局が行われた。ところがその決着は、初歩的な反則として知られる「二歩」だった。
この日は、行方尚史八段と橋本崇載八段の対局。橋本八段は奇抜なヘアスタイルやパフォーマンスからネット上で「ハッシー」の愛称で知られ、対局前のインタビューでも、「今日はいつもの人間の甘さを出さずに、激辛流で、激辛担々麺で行きたいと思います」とユニークな受け答えを見せていた。しかし行方八段優勢で進んだ終盤、悩んだ末に橋本八段は、持ち駒の中から歩を打つ。ところがこれが、同じ筋に歩を2つ以上打ってはならない、禁じ手の「二歩」。すぐに気付いた橋本八段は「あっ」と短くうなるが、時すでに遅く、そのまま敗戦となった。 対局はテレビで放映されており、ツイッターなどでも「二歩」が発言数上位に入るなど、多くの視聴者を驚かせている。