疎遠な弟は「社会で認められないから過激な行動をする」と非難
だが、金容疑者の反日感情も相当なものだ。05年には、島根県が条例で「竹島の日」を定めたことをきっかけに、本籍地を韓国が主張する竹島の住所にあたる「慶尚北道鬱陵郡独島里38番地」に移した。10年7月には、ソウルの講演会会場で重家俊範・駐韓日本大使(当時)にコンクリート片2つを投げつけ、隣にいた通訳にけがを負わせている。この事件では、金容疑者は懲役2年、執行猶予3年の判決を受けた。
時事通信によると、金容疑者は今回の事件現場で、
「あのときはテロではなかった。今回はテロだ」
などと叫んでいた。コンクリート投げつけ事件をエスカレートさせる形で今回の犯行に及んでいたことが分かる。
韓国の中央日報では、金容疑者の弟の声を報じている。それによると、兄弟は4~5年も電話すらしないほど疎遠な間柄で、弟は兄を、
「とんでもない行動をして家族を苦しめる」
「社会で認められないから過激な行動をする」
などと非難。こういった異常行動の矛先がいつ再び日本に向いてもおかしくない。
菅義偉官房長官は3月5日午前の会見で、今回の事件の対応策について、
「政府として、在留邦人に対して大使館から注意を呼びかけると同時に、韓国政府に対しても警備強化を要請したところ」
などと話した。