甲子園でよみがえった「平成の怪物」 松坂大輔を開幕のマウンドで見たい

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工藤監督は「まかせておけば大丈夫」

   それだけではない。1回を投げた後、主審と会話を交わした。ゴメスへの投球で気になった1球があったからだ。

「真ん中のストライクだと思ったので、それを確認した」

   ストライクゾーンの確認である。日米のゾーンは明らかに異なるので、現在の日本はどうなっているか、との情報を得たのだと思う。

   阪神にヒットエンドランを決められた。これは日本のキメの細かい戦法を思い出すことになったはずである。大リーグでは細かいことにあまり神経を使わない。日本はスキがあれば次々と攻撃を仕掛けてくることを再認識したのではないか。

   試合が始まってそのイニングを投げるために、ベンチ前でキャッチボールをすることは、大リーグでは禁止されているが、日本では許されている。松坂はこれも9年ぶりに行った。投手にとってこれは重要なことで、しっかりとした肩を作り、調整をしてマウンドに上がることができる。松坂はこの有利な点を最大に生かしていくに違いない。

「まかせておけば大丈夫」

   工藤監督は満足そうなコメントを残した。最大のポイントだった投げられることが確かめられたうえに、さまざまな課題を確認していた姿をみることができた。手術の後遺症はとりあえず問題なしと確信したはずである。

   甲子園での初登板という味な配慮をした工藤監督。こうなると開幕投手松坂を描いているかもしれない。それが実現したときの球場の盛り上がりはすごいものだろう。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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