千葉県船橋市の非公認キャラクター、ふなっしーが2015年3月5日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者会見し、お得意の「梨汁ブシャー!」などのパフォーマンスで記者をわかせた。
会見では、約1時間にわたって、恒例の「なっしー」語で質問に応じ、自らの人気の秘密について分析した。ゆるキャラとして比較されることも多い、熊本県のくまモンについては「先輩」として「尊敬している」と話した。
マイクが声を拾えないので背面から「イリュージョン」
特派員協会でゆるキャラが話しながら会見するのはおそらく初めて。マイクの取り扱いに四苦八苦するする一幕も。最初は壇上のマイクが声をうまく拾えず、マイクを目の部分に差し出すと多少改善。最後は、ペットボトルから水分補給する時と同様に背面からマイクを「イリュージョン」して事なきを得た。
ふなっしーの人気の理由の一つが、激しい動きだ。この「芸風」も、お客の声に応えた結果生まれたという。
「最初は、ふなっしーもゆったりしていたなっしー。ただ、こうやって(体を縦に振りながら)、風を取り入れたなっしー。いわゆる『フルーツ呼吸』ってやつなっしなー。そしたらそれを見た周りのお客さんが、『すごーい!もう1回やってー!』。みんなそういうアクティブな動きが好きなんだと思って、どんどんどんどん取り入れるようになったなっしー」
頑張って、蹴落とされても登っていくような感じ
記者から、
「(船橋市)公認じゃないのに、なんでこんなにビッグスターになれたのか」
と聞かれると、「ほぉ~!」と奇声を上げた後に、こう真面目に分析した。
「多分、日本人独特の感覚だと思うけれども、昔から『判官びいき』っていう言葉があるなっしなー。ふなっしーは、『(「個人」ならぬ)個なし』状態。1個のなしで活動しているから、どこの会社もついてないし、どこの事務所がいるわけでもない。それでもひたむきに頑張って、蹴落とされても登っていくような感じを見て、ひとつの物語として皆さんが見ていただいているのかな、って気がするなっしな~」
特派員協会でゆるキャラが会見するのは、14年2月のくまモン以来2例目。くまモンの会見では主に熊本県の担当者が説明し、くまモンが声を発することはなかった。「ご当地ゆるキャラ」としてふなっしーとくまモンは比較されることも多い。J-CASTニュース記者がこの点について聞くと、ふなっしーは数秒の沈黙の後に、
「くまモン、先輩なっしなー。非常に尊敬しているなっしー。ご当地キャラとしてふなっしーが出てこれたのも、昔からひこにゃん(滋賀県彦根市)、くまモン、バリィさん(愛媛県今治市)、にしこくん(東京都国分寺市)とかいろんなキャラクターが徐々に徐々に認知を増やして、その後にふなっしーが来たって言うような、先人たちの...。先人?のおかげだと思っているから尊敬してるなっしな~」
などと言葉を慎重に選びながら神妙に話した。
紅白の乱闘は「くまモン先輩、『圧』が強くて、なんか問題になっちゃったなっしな~」
実はふなっしーとくまモンの間には「因縁」がある。13年の紅白歌合戦では、両者が楽屋裏のロビーから中継で出演したが、報道陣の目の前でふなっしーがくまモンを押し倒すなど乱闘を展開。中継終了後、ふなっしーが一緒に中継に出演していた関ジャニ∞(エイト)のメンバーから「ルールの中で暴れろ!くまモンはルール守ってるだろ!」などと叱責されたという経緯がある。
この点については、ふなっしーはこう釈明した。
「確かに紅白の時はちょっとモメたなっしー。くまモン先輩、『圧』が強くて、なんか問題になっちゃったなっしな~。でもあの、基本的には仲いいなっしよ?ライバルじゃなくて、一緒にこのキャラクター界を盛り上げる、大事な仲間だと思っているなっしー」