体育祭の騎馬戦で落下し、首から下にまひが残った福岡市の男性(29)と両親が、県立高校の安全配慮が不十分だったとして、県に約2億9000万円の損害賠償を求めていた訴訟で、2015年3月3日、福岡地裁は県に約2億円の支払いを命じた。
永井裕之裁判長は「実戦形式の練習がなく、生徒は転落の危険性を認識し、対処する能力が十分ではなかった。学校側は十分な練習をさせる義務を怠った」と判決理由を説明した。
判決によると、男性は県立筑前高校の3年生だった03年9月に騎馬戦の騎手を務め、地面に落下。首の骨折と診断され、04年7月に身体障害者手帳(1級)の交付を受けた。今も首から下にまひが残り、車いす生活を送っている。