川崎市立中学1年の上村遼太さん(13)が刺殺された事件で、逮捕された少年3人の仲間の個人情報もネット上で晒され、騒ぎになっている。そこでは、根拠のない憶測も飛び交っているようだ。
「あれ?自殺に追い込ませた?」。少年がこうツイートすると、別の少年は、「一人死んだ」と返す。
少年の1人が、直前に「びーん」とツイート
これは、上村遼太さんが殺された2015年2月20日未明の前後にやり取りされたものだ。
2ちゃんねるの一部スレッドなどでは、逮捕された少年3人の仲間についても、その個人情報特定が進んでいる。前出のツイートをした2人については、そのやり取りから、事件が起きたときに犯行を知っていたのではないかとされ、非難の声も相次いでいる。
少年の1人が、直前に「びーん」とツイートしたことから、6秒までの動画サイト「Vine」に上村さん殺害の映像がアップされていたのでは、という憶測もされた。つまり、凄惨な犯行が過激派組織「イスラム国」の処刑を思わせることから、イスラム国のように動画まで投稿していたのではと疑われたわけだ。
逮捕された少年(17)が実際に「Vine」にアカウントを持っていたことから、そこで実況中継されたことを指しているとの推測もされた。
これに対し、ツイートした少年の1人は、「とんだ勘違い」と反論し、コメディ映画「Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!」にやり取りのようなシーンがあったからだと説明した。それは、ビーンからの携帯電話がきっかけで男性が橋の上から飛び込むといったものだったという。
しかし、少年らのツイッターには、非難の声が相次ぎ、現在は非公開設定になっている。
ネットでは、実名報道などを求める声も多く
この騒ぎは、動画投稿サイトに惨殺映像がアップされていた疑惑があると一部で報じられもした。本当に惨殺映像があるかどうかは確証がないが、さらに様々な憶測がされる事態になっている。
今回の事件は、残虐さが際立つだけに、逮捕された少年3人の仲間のほか、少年の家族についても、写真などの個人情報がネット上で次々に晒されている。
その中には、真偽不明な情報も多く、司法関係者からは法的責任を問われる可能性が指摘されている。しかし、ネット上では、「事件重大性を鑑み、実名報道に切り替えても良いのではないか」「少年法適用とか無理だろもうこれは。ひどすぎる」といった声が相次いでおり、個人情報暴露が止まらない状態だ。
一方、報道によると、捜査の進展で、犯行時の状況が少しずつ分かってきた。
リーダー格の少年(18)も自供を始めており、3人で酒を飲んだ後に上村遼太さんを多摩川河川敷に連れて行き、上村さんを深夜に裸にして真冬の川で泳がせ、工業用カッターナイフで首を切ったとみられている。しかし、供述が食い違っている部分もあるといい、惨殺映像を撮っていたかどうかを含め、今後の真相解明が待たれている。