外務省「直近の所信表明演説の内容などを反映」
更新は唐突に見えるが、外務省の北東アジア課では、
「特定の部分のみに焦点が当たっているが、このページは貿易データなど定期的、不定期に更新されている。今回の更新もその一環で、直近の所信表明演説の内容などを反映させている」
と話す。一般的な更新作業の一環だという説明だが、それが持つ意味合いは小さくない。
確かに、安倍晋三首相の国会演説では、韓国に対応する「枕詞」が変化している。14年1月24日の施政方針演説と9月26日の所信表明演説では、韓国について「基本的な価値や利益を共有」する「最も重要な隣国」だと説明している。たが、直近の15年2月12日の施政方針演説では「最も重要な隣国」で「対話のドアは、常にオープン」だという説明に変化している。
岸田文雄外相についても傾向は同じだ。2013年2月28日に国会で行った外交演説では、
「北朝鮮等地域の脅威に対処する上でも、基本的な価値や地域の平和と繁栄の確保という利益を共有する韓国との関係は重要です」
と述べている。外交演説で韓国について「基本的な価値」という単語が登場するのはこれが最後で、それ以降は、
「最も重要な隣国」(14年1月24日)
「地域の平和と繁栄の確保という利益を共有する最も重要な隣国」(15年2月12日)
といった具合だ。
「基本的価値」という文言は、14年4月発行の平成26年(2014年)版外交青書には盛り込まれていた。だが、演説内容を踏まえると、近く発行される15年版では姿を消すとみられる。